あざまを照らす壁画プロジェクトの始まりと完成(あざま共同売店)
あざま共同売店と壁画
あざま共同売店は南城市安座真のさんさんビーチ、久高島行きの船が出航する安座真港のすぐ近くにあります
7月の14 日と21日に2回に分けて店主の藤原さんとデコールであざまを照らす壁画プロジェクトを企画しました。
共同売店の壁をキャンパスにして、SNSで壁画を描いてみたい人を募集して地元の人と一緒に地域を明るくする絵を描こうというプロジェクトです
藤原さんは県外の出身です
沖縄に住んでいる息子さんに会いに沖縄に訪れたのがきっかけで、沖縄を好きになり最終的に一番好きな安座真に移住したそうです。
住んでみて分かったのは、お年寄りの多い地域なのに生活に必要な売店が無くて買い物が困難な地域であること、人の集まる拠り所が無いことでした
何とかできないかと考えた結果、クラウドファンディングで資金を集めて共同売店を立ち上げたそうです。
僕たちデコールはというと、南城市の事業で安座真の手ぬぐいデザインに関わったのがきっかけで、安座真の海のある暮らしの風景や人、ゆっくりとした時間がとても好きなりました。
それからしばらくして、安座真にクラウドファンディングで共同売店を立ち上げた方がいると聞いて、すごく興味を持ち会いにいきました。
藤原さんと初めて会って話していくうちに安座真のことがすごく好きなのも感じました
でも、そんなにたくさん人がいる地域ではありません。経営は大変だというお話も聞いてデコールができることで何か手伝えないかなと思い、まだ看板など手付かずの共同売店の壁に安座真をイメージした絵を描こうという計画になりました。
プロジェクトのタイトルは藤原さんが安座真を明るくしたいという気持ちで共同売店を立ち上げたこと、
デコールのコンセプト、デザインで人と地域を笑顔にというところが重なったので「あざまを照らす壁画プロジェクト」になりました。
小さくても消えない火
なんとか夏休みの始めには完成させようとお休みの日曜日を使ってやることにしました
藤原さんとデコールともに全く資金の無い状態なのでワンコインのワークショップ形式にして、ペンキ代などの経費も参加料からあてることにして、足りない分は余っているペンキをもらったりしながら準備しました。
計画を進めていくうちに、いろんな違和感〜気づきが巡ってきて、内容の変更や修正をしました
違和感
安座真を明るくするという事は安座真に住んでる人を明るくしないといけないのに、外から人がたくさんやって来て、さらにはプロが壁画を描いてその後何が残るんだろう。。地元とは関係のないお祭りじゃないか?
考えた結果、藤原さんに相談しまして安座真の人にも声をかけてもらい
安座真住民は無料(人数制限無し)
安座真以外の人はワンコイン(定員5組まで)に決めました
壁画のデザインは、子供からご年配まで売店の常連さん達に壁画に何を入れたいか考えて絵に描いてもらい、集めて、それを見ながらデコールがデザインするという一緒に考える共同作業にと、藤原さんとデコールでなるべく地域主体になるように決めていきました。
一番デコールが不安でもあり逆に楽しみでもあったのが、当日デコールは絵を描かないという事です。
ペンキや筆などの準備、絵の下書きまでは描いてあとは参加者さんたちのサポートだけに徹しようと決めました。
絵を描かないと決めたのはこの場所は特別で、僕らが描いてもやっぱり何にも残らないと思ったからです。
壁画なんて描いた事のないのにドキドキしながら一つの絵を完成させる
一つの物を作り上げた感じがして強い印象が残ります。
時間が経っても遠く離れていてもその事実は残ります。
屋外で壁に絵を描いた経験がない人がほとんどなのに、できるのか?
仕上がりは大丈夫か?
たくさん不安はありましたが全然大丈夫でした。
皆さん最初の一筆はこわがっていましたが、描き始めると夢中で描いてました。
写経と似ているという人も。どうやら絵を描く事は脳にいいみたいです。
あざま共同売店にみんなの印象を残したかったのでプロは裏方でいいなと思いましたが、仕事でいっぱい絵を描いてる僕たちでも絵を描くのは楽しい。
なので、実はすっごい我慢してました
今後、同じ企画をする時は自分たちの描く分も考えようと思います。
5月に企画して7月に完成。それまでに何度も安座真に行きましたが、一番僕たちデコールの印象に残っているのは人です
いつの間にか紙芝居担当になった、安座真の大男うふじちゅーの話を読む南城市職員の喜瀬さん
いつも売店にやってくる裏監督で元看板屋の世話好きなおじさん
近所の子供を見かけるとアイスをおごりまくります
企画から完成まで短い間ですがたくさんエピソードがありとても楽しく、いろんな協力や声援があり藤原さんと安座真、南城市の人達との強い繋がりを感じました。
壁画プロジェクトの参加者さん達は、保育士さん、助産師さん、市役所職員、フォトグラファー、宜野座から来られた国語の先生、ペンションオーナー、設計士、まちづくりのお仕事の方々、たまたま通りかかったオジーから地元の小学生まで2日間でおよそ50人ぐらいは参加していただと思います。ありがとうございました
ボランティアで手伝ってくれた友人のチサトにもありがとう。
壁画を描いたからといって活性化したり、継続的に何かが起こるとは思っていません。
きっかけであり、何かに繋がり展開していくことも考えながらのチャレンジだったと思います
なのでまだプロジェクトは続いています。
あざま共同売店は早朝6時半のオジー達の売店前での井戸端会議に合わせてオープン
さっそく壁画を見ながらあーだ、こーだのユンタクが始まっているそうです
デコールのデザインが安座真の日常の一部になっていることも嬉しく、きっかけをくれた藤原さんにも感謝です。
これからもこういう企画を、必要なところでやっていきたいと思いました。
沖縄にはそんな場所がたくさんあると思います。