海人と子ども達で未来をつくるプロジェクトがスタート
10年後どうなってるかなんて誰にも分からない
それでもやり続ける企画。
10年先の漁港の風景を作る〜「壁画大漁プロジェクト」
地元座安小の6年生(3クラスの約90名)が毎年、海にまつわるテーマで1作品を描き、約10年かけて大漁の壁画で漁港を彩っていくプロジェクトです。
きっかけは、交流施設ゆにま〜るや鮮魚直売所など楽しめる場所になってきた与根漁港ですが、何も無くガラ〜ンとした雰囲気がちょっと寂しい...
そこで、地元座安小の子ども達に壁画を描いてもらう事で、漁港の風景や空気を明るく楽しくしてもらい、漁港や漁業に触れて学びの場として活用してもらおう!
そして、豊見城で唯一の漁港でありながらも認知度の低い与根漁港を知ってもらうきっかけにもなると、昨年の秋からスタート。
みんなで力を合わせて20Mの壁画が完成しました!
また、2023年の1月22日には地域イベント「ゆにマルシェ」と同時開催で、壁画の原画となった6年生の絵の展示も行いたくさんの人で賑わいました。
そして先日、座安小学校で6年生の代表に感謝状を贈呈し、1年目の壁画大漁プロジェクトを終えることができました。
壁画ができてからはそれを見に訪れる人などが増え、親子連れが壁画の前で遊んでいる姿など、漁港の風景が少しづつ変わってきたのが分かります。
何より、地元の子ども達が漁港にやって来て海をテーマに壁画を描いたり、展示会をしている様子を海人さん達が一番喜んでくれています。
個人的な話になりますが、2年前ぐらいに豊見城の与根に引っ越すまでは与根漁港には全然行ったことがなかった。
散歩がてら行くようになり、言い方は悪いけど敷地は広いけど人が少なくてガラ~ンとしていて、さみしい漁港という最初の印象だった。
そのうち顔見知りの海人さんもできて、漁師さんの後継者不足の問題や、その為にも漁港を盛り上げたい話しなどをよく聞いた。
そんな中、昨年与根漁港の漁師さんが漁で行方不明になったのをニュースで知って他人事ではない気がした。
みんな漁を休んで何日も捜索していたが、残念ながら見つからなかった。
その時まではあまり意識していませんでしたが、漁業というのはいつでも危険と隣り合わせなんだという事を間近で感じた。
当たり前に食べている、お寿司、刺身、スーパーで毎日買える魚は、実はものすごい危険をおかして漁師さんが海から獲ってきている。
もちろん、どんなに頑張っても魚も毎日とれるわけではない。経済的にも不安定だ。
この時代に、そこまでして漁師やろうという人は少なくなるのも分からなくもない。逆にありがたい存在なんだ。
でも漁師さん達は漁を好きでやっているし、魚は美味しいし食べ続けたい。
だったら、一番お魚が好きな地元の子ども達と一緒に、いつも頑張って魚をとってきてくれる漁師さんを応援しよう!
海の壁画をいっぱい描いて喜んでもらおうというのが実はプロジェクトの核になっていて、その時によく与根を盛り上げたいねと話していた漁師の大城和也さんと一緒に企画しました。
小さな力でできる事を積み重ねていき、今年度は20m次年度は40m。10年後には200mの壁画になり漁港全体を壁画で囲む計画。
6年生の男子が「10年後は22歳か〜」とつぶやいていました。
10年後のことは誰も分からないけど、続ければ風景だけでなく漁港も地域も人もおもしろい事になっていると思います。
教育も地場産業もそれぞれ課題や壁はありますが、アートを通して結びつけ、プラスにする事は可能だと考えています。
地域の子どもも大人もみんなで、未来の風景を創造していきます。
次年度も楽しみです。